7.ビジネス案件の評価
アカウントプランの一部、「ビジネス案件の評価」の作成について、解説します。

7.ビジネス案件の評価

●ビジネス案件の優先順位付け・絞り込みには、理由=論理的根拠 が必要であり、下記のような視点から行いますが、
アカウントプランを運用する企業の考え方・営業側企業の状況等によって、評価指標は変わります。

 

●より具体的な評価のポイントは、以下のような観点です。
◇案件価値・・・ビジネスとして どの程度の価値があるのか?
・金額   :ビジネス規模を判断します。     
 =>売り上げ目標金額からみた重要性・価値を評価
・売上時期 :ビジネス案件の進捗スピードを判断します。
 =>売り上げ目標時期からみた重要性・価値を評価
・戦略的価値:ビジネスの拡張性を判断します。    
 =>現在及び将来性からみた重要性・価値を評価

 

◇競合優位性・・・競合他社に 勝てるのか?
・競合他社比較:競合他社のソリューションと比較して、自社ソリューションの優位性を評価します。
 =>ビジネスとして 勝てるかどうかを評価

 

◇課題解決の実現性・・・自社に お客様の課題解決・提案ソリューション実現の 能力があるのか? 
・時間(納期):お客様の必要とする時期への適応可能性を評価します。 
 =>時間的余裕度からリスクを評価
・機能/品質   :お客様の求める品質への適応可能性を評価します。   
 =>機能・品質からリスクを評価
・実績    : 類似の案件に対する過去の実績・経験を評価します。  
 =>実績・経験値からリスクを評価 

 

●ビジネス案件評価は、アカウントプランを駆使して、戦略的な営業活動を行うために、大変重要です。
アカウントプランを活用した営業活動は、自社のリソースをフル活用することを想定しています。
そのため、自社の貴重なリソース(営業パーソン・SE、役員を含めた経営層 等)をフル活用する
「価値のあるビジネス」であるかどうかを評価しなければ、貴重なリソースの浪費につながります。
この「評価」のための、「評価軸の一例」が、下記になります。
◇案件価値・・・ビジネスとして どの程度の価値があるのか?
◇競合優位性・・・競合他社に 勝てるのか?
◇課題解決の実現性・・・自社に お客様の課題解決・提案ソリューション実現の 能力があるのか?
これらの三つの視点から点数化することで、勝率が高く効率的な販売機会の選定・優先順位付けが可能となり、優先順位の高いビジネス案件がどれか、客観的に評価することができます。

 

●下記は、ビジネス案件の優先順位付け・絞り込みに際しての、案件の評価指標の例と、点数化の例です。
各ビジネス案件について、以下の基準で評価ポイントを設定して点数化し、営業活動の優先順位づけを行います。
「競合優位性」の競合他社は、想定される主要企業名を記載します。

 

●重要なのは、ビジネス案件の「オープン化」(情報の共有)・営業活動の「可視化」によって、ビジネス案件を「関係者共通の評価軸」で評価することです。
アカウントプランによる、戦略的な営業活動を実行するためには、ビジネス案件情報を一定数確保したうえで、それらに対して営業活動の優先順位をつけて、価値の高い・勝率の高いビジネス案件にリソースを集中することが必要です。
そのために必要なことは、アカウントプランを基にした  
①「ビジネス案件のオープン化」であり、 ②「営業活動の可視化」です。
個人の力量に依存するのではなく、
「オープン化」や「可視化」により組織・企業として情報を共有し、高いスキルをもった関係者の知恵を 集約・活用することで、自社にとってより重要なビジネス案件に焦点を当て、より高い「勝率」を目指す ことができます。
このビジネス案件の評価の際に重要なことは、「関係者共通の評価軸」によって、「ビジネス案件の 評価」・「営業活動の優先順位付け」が、できることです。

 

①「ビジネス案件のオープン化」は、
「ビジネス案件について、営業部門だけにクローズするのではなく、必要に応じて他部門にも開示して、企業内部で情報共有すること」です。
②「営業活動の可視化」は、
「営業活動の状況について、営業担当者本人だけではなく、上司(課長・部長・本部長・役員等)が把握できる/ 第三者が理解できる ようにすること」です。
この「営業活動の可視化」は、アカウントプランのより高度な活用段階に位置づけられる、「パイプライン・マネジメント」(ビジネス案件管理)の前提条件になります。

 

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