★アカウントプランとソリューション営業
「アカウントプランの導入・活用・定着」について、国内大手ITベンダーを、のべ6年間支援した経験を基に、アカウントプランの導入・活用の「肝」について書きます。

ソリューション営業に、アカウントプランはなぜ必要か?

◆答え:IT営業(ソリューション営業)は 「一人では売れない」から
外資系ITベンダーに転職して、新人教育期間を通じて学んだことが、情報システムの販売・導入・稼動(運用)・保守などの一連のプロセスには、各場面で高度の専門性をもつ人材が必要で、「販売」までの
段階に限っても営業パーソンが、「一人で全てのプロセスをこなすことはできない」ということでした。

 

販売対象のハードウェア・ソフトウェア・サービスも数千種類を数え、システムズエンジニア(SE職)の同僚・各製品のエキスパートの支援・役職者の承認などがなければ、自分が売ろうとする(=お客様が欲しがる)製品・サービスに関して、それ自体の選択・組み合わせが正しいものなのかどうかすらも、正確には判断できません。
そうした人材は常に多忙でひっ迫しているため、社内でのリソース(人材)獲得競争が起き、その社内競争に勝つためにも、それらの人たちが「こういう顧客・シナリオならば、力を貸しても(リソースをアサインしても)価値があるビジネスだ」という判断ができるような、「実現可能性が高く 論理的なアカウントプラン」が必要になりました。

 

情報システムの販売・導入・稼動(運用)・保守などの一連のプロセスには、各場面で高度の専門性をもつ人材が必要で、営業パーソンが、「一人で全てのプロセスをこなすことはできない」わけですから、こうした関係者に、何度も同じ説明をする場面や、営業活動の進捗状況をレビューされる場面が多々あります。
こうした場面で、自分自身の仕事の生産性・コミュニケーションの正確性を上げるために、「アカウントプランを作る="口頭"での説明ではなく"ドキュメント化(電子化)"しておくこと」が必要です。
口頭での説明は、その場で消えてしまうので「再利用」できませんし、相手が社内の関係者であっても、こちらの意図を正しく理解するとは限りません。また口頭での説明では、何もEvidenceが残らないので、最悪の場合には「言った言わない」のトラブルが起きます。

 

アカウントプランは、営業部門だけのものとみられがちですが、アカウントプランの本質的な一面は、
社内(或いは代理店を含む)の関係者間の仕事を円滑かつ効率的に進めるための、「情報共有のツール」である、ということです。
アカウントプランは、売って終わりではなく、売った後のシステム構築・お客様との関係の強化、次のビジネスの発見・提案など、売った後の営業プロセスでも使うものです。
その場合、関係者に必要な情報を誤りなく効率的に知らせるには、「アカウントプランとしてドキュメント化(文書化=電子化)」しておき、同じプロジェクトの異なる関係者への説明・資料の更新など、自分自身のワークロードを極力減らし、生産性の高い仕事の仕方をしなければ、営業パーソンは疲弊するばかりです。

 

★IT営業(ソリューション営業)には、「関係者間の情報共有のツール」「必要な支援を得るツール」「自分自身の生産性を上げるツール」として、アカウントプランが必要です。

 

 

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